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【要確認】板金塗装の流れとは?

 車の修理には板金塗装と呼ばれるものがあります。また、ときどき自動車整備工場のことを「板金屋さん」と表現することもあります。そもそも、板金塗装や板金では何をするのでしょうか。

 また、それらが必要になるシーンを何かご存じでしょうか。この記事では、板金塗装についてわかりやすく解説して、作業の流れもご紹介します。板金塗装の修理依頼のときに役立ててください。

 

板金塗装とは?

 板金塗装とは、ボディなどの車の外装に対する作業です。建設物の材料の加工なども板金と呼びますが、車の場合は外装に関係する修復作業を意味します。

 また、板金塗装が必要となるのは、外装である銅板が傷んでしまったりへこんでしまったりしたときです。銅板がこすれて塗装がはがれてしまったときなども板金塗装を行います。ですから、接触事故や追突事故のあとに施す修復作業といえます。

 なお、板金塗装は板金と塗装という2つの工程がありますので、以下でご説明します。

板金とは

 板金とは、外装を整える作業です。樹脂製のハンマーを使って銅板の裏側から叩くことにより、へこみなどをもとに戻していきます。ほかにも、溶接機を用いたりはんだを使ったりして行う場合があります。なお、板金作業には修理箇所である外装の取り外し作業を含めることが多いです。

塗装とは

 塗装とは、外装などの表面の色合いを整えて状態をよくすることです。ボディのカラーに染め直すだけではなく、雨や風、雪などから表面の劣化を防ぐ意味もあります。車体を外的要因から保護するという観点で考えると、塗装作業は非常に重要なものです。

板金とあわせて塗装をする

 前述した、板金と塗装は別々の職人が行うことがほとんどですが、2つの作業は一体のものです。板金作業をしてから塗装作業をすることが一般的であるため、「板金塗装」と呼んでいます。どちらも欠かすことのできない作業であり、特に変形や裂傷がひどい場合はディーラーでは対応できず板金塗装専門工場に依頼するユーザーもいます。

 

 

 

板金の流れとは


ここからは、板金の流れをご説明します。作業手順として3つの流れをみていきましょう。

破損箇所の確認

 板金作業は破損箇所の確認から行います。損傷の様子を確認して、へこみなどにどのようにアプローチするか検討していきます。

 なお、板金は「外板板金」「内板骨格修正」「パネル取り換え」の3つに分かれます。外板板金はドアのパネルなどを修復するときに行います。「内板骨格修正」はフレーム修正など、比較的衝撃の大きな交通事故のときに施します。

 また、パネル取り換えは非常に大きな衝撃により、パネルの交換が必要な場合の作業です。

さまざまな方法でへこみをたたき出す

 損傷箇所を分析したあとは、へこみに対して専用の工具でたたいて修復していきます。表面からアプローチできれば、外装の表面からへこみを叩きます。物理的に職人が叩き出せないへこみならば、部材を溶接して工具を取り付けたあとに叩いていきます。

 通常、へこみは単純に裏側からたたいて修復するイメージですが、職人は表側からへこみを引き出して修復していくこともあります。

 

絞り作業と研磨

 前述の方法で外装を叩いていくと、金属の性質から銅板が伸びてしまいます。金属は伸びると耐性が低くなり、最終的に押すと戻らなくなります。そのような状態を解消するために、「絞り作業」を行います。

 銅板を加熱して絞る、絞り作業を行うと、外装の表面に焼けた跡などが残るため研磨作業も欠かせません。研磨作業にはロロックサンダーや研磨紙を使います。

 研磨作業が終了したら、塗装の邪魔になる部品を取り外すと、以後の流れがスムーズになります。

 

 

 

塗装の流れとは

 ここでは、板金作業のあとの塗装作業について流れをご説明します。塗装の作業内容は以下の2つです。

 

下地作業

 下地作業では塗装面の剥離を行います。具体的な作業は、塗装面をはがしていきパテを埋め込んでいきます。パテが乾燥したら仕上げの磨きを行うと完了です。

 特に大きなへこみの場合は、下処理として下地をできるだけ滑らかにすることを意識します。丁寧に下地処理を行なって表面を滑らかにすると、塗装の仕上がりもよくなります。

 なお、下地作業が終わったら、下地を塗るためのマスキングを行います。マスキングでは、養生テープやビニールシートを活用します。マスキングの完了後は、下地を塗布する部分の表面の油分を取り除きます。

塗料の塗布

 塗布面の油分を取り除いたら塗料の塗布です。希釈した塗料を数回に分けて塗布することが一般的であり、重ね塗りによりもとの色に近づいていきます。重ね塗りをする塗料をカラーベースといいますが、カラーベースを何度か塗布したら乾燥させます。

 カラーベースの乾燥後には、クリア剤を塗布して艶や光沢を高めます。クリア剤の塗布はカラーベースの塗布よりも広範囲に行います。塗るときも薄めに4~5回に分けて塗り、艶を存分に出します。

 

 

 

まとめ

 板金塗装では、板金と塗装を行います。通常、板金作業を行なってから板金作業も行うため、「板金塗装」とまとめた言い方になります。

 板金ではへこみやゆがみを直して表面の研磨作業まで行います。その後、下地作業、マスキングをしてから塗装に移ります。塗装ではカラーベースを何度か重ね塗りをしてから、クリア剤を塗布して艶をだします。

 なお、自ら板金塗装を行うと外装を痛めたり、塗料の塗布にムラがでたりします。プロに依頼して綺麗に仕上げてもらいましょう。